国年法H27-5-A [国民年金法]
【 問 題 】
最高裁判所の判例によると、国民年金法第19条第1項に規定する
未支給年金を受給できる遺族は、厚生労働大臣による未支給年金の
支給決定を受けることなく、未支給年金に係る請求権を確定的に有し
ており、厚生労働大臣に対する支給請求とこれに対する処分を経ない
で訴訟上、未支給年金を請求できる、と解するのが相当であるとされ
ている。
【 解 答 】 誤り。
【 解 説 】
最高裁判所の判例からの出題で、「未支給年金を請求できる」とあり
ますが、設問の場合は「できません」。
この判例では、「未支給年金」の規定により遺族が取得するのは支分権
たる請求権ではあるが、「裁定」の規定の趣旨に照らして考えると、
「未支給年金」の規定にいう請求は裁定の請求に準じて社会保険庁長官
(現在は、厚生労働大臣)に対してすべきものであり、これに対して同
長官が応答することが予定されているものと解される。そして、社会
保険庁長官の応答は、請求をした者が請求権を有する所定の遺族に
当たるか否かを統一的見地から公権的に確認するものであり、不服
申立ての規定にいう「給付に関する処分」に当たるものと解するの
が相当である。したがって、「未支給年金」に係る所定の遺族は、
社会保険庁長官による未支給年金の支給決定を受けるまでは、
死亡した受給権者が有していた未支給年金に係る請求権を確定的
に取得したということはできず、同長官に対する支給請求とこれ
に対する処分を経ないで訴訟上未支給年金を請求することはでき
ないものといわなければならない、としています。
最高裁判所の判例からの出題で、「未支給年金を請求できる」とあり
ますが、設問の場合は「できません」。
この判例では、「未支給年金」の規定により遺族が取得するのは支分権
たる請求権ではあるが、「裁定」の規定の趣旨に照らして考えると、
「未支給年金」の規定にいう請求は裁定の請求に準じて社会保険庁長官
(現在は、厚生労働大臣)に対してすべきものであり、これに対して同
長官が応答することが予定されているものと解される。そして、社会
保険庁長官の応答は、請求をした者が請求権を有する所定の遺族に
当たるか否かを統一的見地から公権的に確認するものであり、不服
申立ての規定にいう「給付に関する処分」に当たるものと解するの
が相当である。したがって、「未支給年金」に係る所定の遺族は、
社会保険庁長官による未支給年金の支給決定を受けるまでは、
死亡した受給権者が有していた未支給年金に係る請求権を確定的
に取得したということはできず、同長官に対する支給請求とこれ
に対する処分を経ないで訴訟上未支給年金を請求することはでき
ないものといわなければならない、としています。
2022-05-15 04:00
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